平凡な日常。
しかし決して平凡な日常なわけではなかった。
もしも、この人と結婚してなかったら…。
主人公の女性は結婚7年目。
毎年バカンスを夫婦で合わせてとり、海外旅行を恒例としていた。
彼の休みと自分の休みを調整する。
彼の食べたい物を一緒に食べる。
彼の選んだ、現地ツアーへ参加する。
彼女は夢をみる。
食べたい物を食べ、行きたい場所へ行く。
自分のタイミングで自由気ままに動けている。
爽快でとても気持ちイイ。
そして目覚め、その感覚をしっかり思い出す彼女。
もしもあの時、息子を呼び止めなかったら…。
主人公の女性は、25才の息子をバス事故で亡くす。
朝、寝坊し慌てて会社へ行こうとする息子を呼び止め「食べないと体に悪いよ」と、オニギリを持たせ会社へ送り出した母。
息子を乗せたバスが事故を起こし、4名の死者。
その内の一人が、自分の息子。
もし呼び止めなかったら、違うバスに乗って事故にあうこともなかったかも。
もしもあの時、違う選択をしていれば…
そして違う選択の自分を思い描きながら生きるのです。
角田光代さんの小説に、いつもホロリと泣かされる(T-T)
