ご自身の脳梗塞あとのリハビリを含む生活を、赤裸々に書かれた『寡黙なる巨人』
本は下記の文章から始まります。
ある日を境にし全てが変わってしまった。人生も、生きる目的も、喜びも、悲しみも。
でも私は生きている。以前とは別の世界に。
車椅子に体を任せて、言葉を失い、食べるのも水を飲むのもままならず、生きている。
昔より生きていることに実感をもって、確かな手応えを持って生きているのだ。
一時は死を覚悟していたのに。
自信はないが私は生き続ける。なぜ?
それは生きてしまったから。
その中で生きる理由を見いだそうとしている。もっとよく生きることを考えている。
『よく生きる』ということ。
多田さんの不自由で、ままならない体と言葉に向き合う姿勢。
『よく生きる』ということ。考えさせられます。